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レポート

2012年04月16日「保育の事業化」

 春を感じさせる季節になりました。私どもが関わった施設様から新年度に向けて数々のお便りが届いております。

 さて本日は、保育を事業として考えてみたいと思います。保育園の高付加価値化はよく耳にする言葉ですが実際の施設運営と保護者の動きに分けてご説明してみたいと思います。そもそも保育園に付加価値を付けると言うことは特色を持たせることを意味します。システムやコンセプトに独自性を付加したり、感覚教育や幼児教育、スポーツ教育を取り入れたり様々なことが考えられます。これらは保護者に優位性を訴える手段として非常に有効な印象を持てますが、実際の保護者の受け取り方にミスマッチがあると当社のリサーチで出ています。簡単に説明しましょう。

 そもそも独自性は判断材料に効果がありますが決定要因ではありません。つまり保育を必要とする保護者は何かしらの保育に欠ける為、サービスを利用します。基本的に保育料と立地を含めた施設全体の評価で大多数は入園の判断を行う傾向があります。一般的に仕事の都合で預けるものであり、一年を通じて幼稚園に比べると保育園児の入退園は激しく認可保育園や認証・認定保育園に空きが出ると退園するのが一般的です。

 施設側から見てみましょう。認可外保育園ですと保護者から受け取る保育料で経費を賄いますので人員の配置などは全てコストになります。つまり業務的にも経費的にも負担となります。一方、保護者は子どもを保育園に入れる為に働いているのではなく、働く為に子どもを預けるのであり一円でも安くて自らが納得できる施設を選ぼうとします。

 原点に返って考えてみましょう。元々教育を行うのが幼稚園で保育に欠ける子どもを預かるのが保育園です。幼稚園は時間的利便性と融通性が欠如しており、保育の教育性を含めた付加価値が求められているのが現在なのです。保育園で過度な付加価値化は利益率の圧迫とスタッフの満足度を下げることに繋がります。独立採算の認可外保育園ではできることは限られています。一見、賑わっている保育園も経営的にはほとんど利益が出ていないということも稀ではありません。保育園の一日の動きを見ても特殊教育など行えるほど時間的、人員的余裕がないのが実状ではないでしょうか。

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